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岩手県小児科医会

会長名 三浦 義孝
郵便番号 〒028-3603
住所 岩手県紫波郡矢巾町西徳田5地割2-4 けんたろうこどもクリニック 内
TEL 019-656-1011
FAX 019-656-1012
ご挨拶 この度、平成24年4月7日に行われた岩手県小児科医会総会で、大沼一夫先生の後任として、会長に選出されました。
歴代の会長に比べて、いわゆる盛岡弁で言うなら「ケェネー」会長であり、自分の力不足を痛感しております。津軽弁の「けね」には、7通りの解釈(岩手日報・風土計・平成24年6月28日)があるそうです。並べると「毛がない」から「弱々しい」「あげない(与えない)」「大丈夫」「簡単(容易)」「食べることができない」や「消えない」まで、その場の状況、アクセントの高低、強弱などから互いに理解できますが、盛岡弁とも微妙に意味が異なっているように思います。
常に言われていることですが、医療、特に小児科を取り巻く環境は、年々厳しさを増しています。開業医、病院勤務医ともに良い環境とは言えません。その中で、我々小児科医に求められていることは、小児救急医療の整備、乳幼児健診の充実、予防接種体制の整備、子育て支援等、沢山あります。
江戸時代、筑前福岡の黒田家に「異見会」、別名「腹立たずの会」というものがあったそうです。それは、1) 出席者は身分を問わない、2) 会議場に入ったら身分を忘れること、3) 何を言ってもいい。しかし個人的な攻撃は禁止する、4)批判された時も、決して腹を立ててはならない、というこの「異見会」があったために、黒田家運営の健全なフィードバック装置となり、黒田家が幕末まで存続できたといいます。小児科医会も同じです。組織のコミュニケーションルートには、上から下に情報や指示命令が流れるいわゆる"トップダウン"の回路と、逆に下の意見や不平不満が上層部に達する"ボトムアップ"と呼ばれる回路とがあります。現在の岩手県小児科医会は、両回路がうまく機能し運営されているようには思えません。最後の責任は、私が取りますので、会員の先生方には自由に意見を言って欲しいと思います。
今まで、開業している先生方と病院勤務の先生方、特に岩手医科大学の医局の先生方との交流は活発に行われていません。地域医療、特に一次医療から二次・三次医療まで、円滑に救急医療を進めるためにも、もっともっと若い勤務医の先生方と交流を深めたいと思います。
永六輔さんの書かれた「無償(ただ)の仕事」という本の中に、「重箱のすみをつつきはじめると収拾がつかなくなる、必要なのは全体像を見るということである。全体が見えていないと、自分ではいいことをしているつもりでも、誰かの邪魔になっている場合もある」という文章が書かれてあります。重箱のすみをつつくためには重箱の全体を見なければいけません。全体を眺めて、できるだけバランスの良い運営を心がけていきたいと思います。政治に関心を持ち、時には批判を浴びることがわかっていても、理不尽な行政の対応には断固として意見を言います。筋を通せばいつかは道は開けると思います。そして「耳障りなことを言う」、それが私の仕事です。
平成23年3月11日に、東日本大震災が発生し、それから1年4か月が経過しました。被災された方々に心から哀悼の意を表します。原発事故は未だ進行中で避難されている方々にお見舞いを申し上げます。復興には長い時間がかかり、さまざまな支援のあり方が求められます。今年は復興元年です。大震災で犠牲になった多くの魂を弔い、復興に取り組む強い意志で事に当たりたいと思います。その一つとして、平成26年6月14日(土)15日(日)に、第25回日本小児科医会総会フォーラムを盛岡で開催します。全国の多くの小児科医会の先生方のご参加とご助力を切にお願い致します。
長きにわたり小川英治・菅野恒治名誉会長の下で小児科医会の事務局を任されました。小児科医会活動を通して全国の様々な先生方に出会え、私にとって大きな収穫となりました。そのつながりを大事にし、「ケェネー」そして品格のない会長であることを自覚しながら務めさせていただきます。ドスやにらみを効かせることはできませんが、それなりに頑張ります。日本小児科医会の会員の先生方の更なるご指導を賜りますよう、よろしくお願い致します。

大津波被災地への様々な医療支援が現在も続いています。日本小児科医会はじめ日本小児科学会、その他諸団体からの物心両面のご支援に感謝致します。

(平成24年7月11日 記)

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